監修

産婦人科医/スポーツドクター
能瀬 さやか
Profile
ハイパフォーマンススポーツセンター 国立スポーツ科学センター スポーツ医学研究部門婦人科
浜田病院産婦人科 女性アスリート外来非常勤
女性アスリートの健康課題に関する調査研究・支援の第一人者。
2017年、東京大学医学部附属病院に国立大学初の「女性アスリート外来」を
開設し、トップアスリートから部活動に励む子どもたちを診てきた。
若い世代への啓発活動にも力を入れている。
メッセージ
近年、子どもから高齢者まで、幅広い世代の女性がスポーツや運動に取り組む姿を多く目にするようになりました。
スポーツは、健康の維持・増進だけでなく、疾病の予防や心の健康にも良い影響をもたらします。
また、仲間と協力しながら努力する経験を通じて、コミュニケーション能力や社会性も育まれます。
しかしながら、運動の量や強度、環境、方法を誤ると、かえって健康を損なう可能性もあります。
特に女性の場合、性差を考慮した医科学的な支援がなければ、健康障害のリスクが高まり、競技を継続することが難しくなるケースもあります。
代表的な問題としては、エネルギー不足に起因する無月経や骨粗鬆症、摂食障害などが挙げられます。
このような課題解決に向けて、私が最も重要だと感じているのが、「10代からの教育」です。
何が正常かを理解していなければ、自分の異常に気付くことはできません。選手自身が10代から正しい知識を身につけ、自らの身体の状態を的確に理解し、セルフケアや予防に取り組む力を養うことが必要です。
また、自分の異変に気付き、それを周囲に適切に伝える力、いわゆる「ヘルスリテラシー」を高めることは、競技人生だけでなく、その後の人生においても役立つでしょう。
このような教育を実現するためには、アスリート本人だけでなく、指導者、保護者、教員、トレーナー、栄養士、心理士など、多職種が連携し、女性アスリートの身体的・心理的特性に応じた包括的な支援体制を構築することが不可欠です。そして、一時的なサポートにとどまるのではなく、継続的に支援を続けられる体制づくりが求められます。
女性アスリートが健康を維持しながら、競技生活を長く続け、引退後も心身ともに豊かな人生を歩んでいけるよう、今後も多職種、多団体が連携し支援と取り組みを継続していくことを願っています。
略歴
2003年 | 北里大学医学部卒業、同愛記念病院で研修後、東京大学産婦人科学教室入局、東京大学医学部附属病院産婦人科、総合母子保健センター愛育病院、焼津市立総合病院、東京日立病院、八戸クリニック産婦人科、国立スポーツ科学センターメディカルセンター |
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2017年2月 | 東京大学医学部附属病院女性診療科・産科、助教 |
2022年11月 | 東京大学医学部附属病院女性診療科・産科、特任講師 |
2023年4月 | 東京大学医学部附属病院女性診療科・産科 非常勤 |
2025年4月~ | 現職 |
資格
●日本産科婦人科学会専門医
●日本産科婦人科学会指導医
●日本生殖医学会生殖医療専門医
●日本スポーツ協会公認スポーツドクター
●日本パラスポーツ協会公認パラスポーツ医
●日本女性医学学会女性ヘルスケア専門医
●医学博士
役職
●日本オリンピック委員会アントラージュ専門部会部会員
●日本パラリンピック委員会女性スポーツ委員会委員長
●日本産婦人科医会女性アスリートのためのワーキンググループメンバー
●日本パラスポーツ協会理事
●日本スポーツ協会女性スポーツ委員会委員
●日本パラスポーツ協会医学委員
●一般社団法人女性アスリート健康支援委員会理事
●日本スポーツ協会国体医事部会委員
●日本アンチ・ドーピング機構TUE委員会委員
●一般社団法人日本摂食障害協会参与
●日本臨床スポーツ医学会代議員
●日本臨床スポーツ医学会学術委員会競技スポーツ部会アンチ・ドーピング小委員会委員
●日本水泳連盟医事委員
●東京都水泳協会医事委員
●日本ウエイトリフティング協会理事
●日本卓球協会理事
●日本ウエイトリフティング協会スポーツ医科学委員会委員
●日本サッカー協会NF rep.
●日本ライフル射撃協会医科学情報部会委員
●日本子宮内膜症啓発会議実行委員
●日本ウエイトリフティング強化委員会委員
●女性スポーツ医学研究会役員 等
SHOKU LEAD 代表

公認スポーツ栄養士/管理栄養士
馬明 真梨子
Profile
広島市佐伯区出身。安田女子高校、県立広島大学卒業後、スポーツジムでの栄養・トレーニング指導業務を経て2014年に独立。
“「もっとできる。」その先へ、食を通したサポートで選手の挑戦をアシスト“をモットーに、現在は広島県を中心にジュニアからトップアスリートの栄養サポート、スポーツ食育、商品監修・コンサルティング、健康経営、栄養士キャリアアップ事業等を展開。3児の母。
メッセージ
女性アスリートの健康課題に対する支援が広まっているものの、広島県内ではその機会が行き届いていない現状があります。
食事は選手の体と心を支える土台であり、コンディションや競技力を左右します。
女性アスリートは選手としての食事を考えることと同時に、女性の身体的特性やライフステージを理解し、競技力の最大化と健康の両立を目指すことが大切です。
WeSUPでは、様々な専門家がタッグを組み、メディアを通してその取り組みの重要性を伝えていく、この他にない取り組みは県内の女性アスリート支援の推進を図り、輪を広げていくプロジェクトになると思います。
食を味方につけ、選手として女性として輝く人を皆さんと一緒に増やしていきます!
Cooking studio Rave 代表

出張シェフ/デリ販売/料理教室
宮川 あゆみ
Profile
広島市東区出身。広島酔心調理師専門学校卒業後、ラシャンブル系列で調理やサービス・店舗立ち上げにも携わり、出産前に退職。
2014年に料理教室を開業後、大手企業での料理教室やレシピ開発に携わり、料理の楽しさを伝える活動を続けている。
ケータリングや出張料理人としてオーダーメイドの料理を得意とし、お客さまの笑顔を広げる料理を提供。
食の専門家集団、おけいこCOOK運営。小5からの夢を叶え、2025年3月にテイクアウト専門店RECO.DELIオープン。
2児の母。